【PDC】ワールトチャンピオンシップってどんな大会?年末年始に開催される【PDC World Darts Championship】について解説!
全世界のダーツプレイヤーにとって、年末年始のお楽しみといえば[PDC World Darts Championship](ワールドチャンピオンシップ)。
全大陸から予選を勝ち抜いた強豪がイギリスのアレクサンドラ・パレスに集い、世界一を賭けて競い合う世界最高峰の大会です。
近年のスティールダーツブームによって、視聴されている方も多いのではないでしょうか。
しかしダーツの海外の大会は、ルールや背景などの情報がまだまだ多くありません。
ワールドチャンピオンシップって聞いたことはあるけど、どんなトーナメントか詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんなワールドチャンピオンシップの概要を解説していきます!
概要
PDCワールドチャンピオンシップは、紛れもなくダーツの世界最高峰のトーナメントです。
それは、出場選手が総じてハイレベルであるということも当然ながら、賞金額においても他ダーツ団体とは一線を画すものになっています。
そんなワールドチャンピオンシップの概要をまずは解説していきましょう。
開催時期
ワールドチャンピオンシップは、毎年末から年始にかけて開催されます。
開催期間は約3週間程度。
2021年シーズン(20年末から21年始にかけて)は、12/15~1/3までの間開催されました。
参加人数が膨大なだけあって、日数も多いですね
参加人数と資格
参加者は96名で構成されています。
選出方法は、大きく以下の3つにより選出されます。
- PDCオーダーオブメリット上位32名
- プロツアー・オーダーオブメリット上位32名(①と重複しない)
- 世界各地の国際予選勝者計32名
オーダーオブメリットとは、賞金ランキングのことです!
1.PDCオーダーオブメリット上位32名
[PDCオーダーオブメリット]とは、PDCにおけるメインの賞金ランキングです。
過去二年間のトーナメントにおける賞金獲得額によりランキングされる内容です。
また、この32名はシード扱いとなり、ワールトチャンピオンシップ本戦では第2ラウンド(2回戦目)からの出場となります。
2.プロツアー・オーダーオブメリット上位32名
プロツアー・オーダーオブメリットとは、1年間のプレイヤーズチャンピオンシップ、ヨーロッパツアーにおける賞金額ランキングです。
当然、上述の[PDCオーダーオブメリット]上位者がプロツアー・オーダーオブメリット上位者の大半を占めますが、ここでは[PDCオーダーオブメリット]上位32名を除いた新たな32名が選出されます。
3.世界各地の国際予選勝者計32名
上述のオーダーオブメリット上位による選出者は、必然ツアーカードホルダーに限られます。
しかし、ツアーカードを持たない世界各地のダーツプレイヤーも、それぞれの地で開催される予選に勝利することでワールトチャンピオンシップに参加することができます。
予選大会の開催はPDCから各地のダーツ団体へ委任され、予選大会の形は年により異なります。
日本へは毎年2名の参加枠が与えられています。
選出方法は予選トーナメントによることが多いです。
2021年(2022シーズン)は以下の二名がそれぞれのトーナメントにて勝利し、出場権を獲得しました。
- PDJジャパンチャンピオンシップ – 山田勇樹選手
- ワールトチャンピオンシップクオリファイ – 柴田豊和選手
試合フォーマット
試合は全てオープンイン・ダブルアウトの501にて構成されます。
ワールドチャンピオンシップは『セット制』を採用しており、規定数のセットを先取したプレイヤーの勝利となります。
規定のセット数は以下の通りです。
1st / 2nd ラウンド | ベストオブ5セット |
---|---|
3rd / 4th ラウンド | ベストオブ7セット |
準々決勝 | ベストオブ9セット |
準決勝 | ベストオブ11セット |
決勝 | ベストオブ13セット |
なお、1セットはベストオブ5LEGで争われます。3LEGを先取したプレイヤーが、1セットを獲得することとなります。
賞金
ワールドチャンピオンシップは世界最高峰の選手が集う大会です。
そして、賞金金額もやはり最高峰です。
みんな気になる賞金金額は以下の通りです。
ポジション | 賞金額(£) | 賞金額(円換算・約) |
---|---|---|
優勝 | £500,000 | ¥81,000,000 |
準優勝 | £200,000 | ¥32,500,000 |
ベスト4 | £100,000 | ¥16,000,000 |
ベスト8 | £50,000 | ¥8,000,000 |
ベスト16 | £35,000 | ¥5,700,000 |
3rdラウンド敗退 | £25,000 | ¥4,000,000 |
2ndラウンド敗退 | £15,000 | ¥2,400,000 |
1stラウンド敗退 | £7,500 | ¥1,200,000 |
※2021年シーズンの場合
なんと優勝者は8千万円オーバー!すごすぎる…
賞金総額は破格の4億円超!
ダーツトーナメントとしてはもちろん最高金額。他に類を見ません。
初戦敗退でも100万円強の賞金を獲得できます。
日本選手の戦績は?
ここからは近年の日本選手の戦績を見てみましょう!
2019年 浅田斉吾選手
2019年は日本を代表し浅田斉吾選手が出場。
なんとファーストラウンドでポーランドのクリストフ・ラタイスキー選手に勝利しました!
ラタイスキー選手はワールドマスターズの優勝やプレイヤーズチャンピオンシップでの複数優勝経験などを持つ紛れもない実力者です。
そのラタイスキー選手に勝利し、世界に『THE NINJA』の名を知らしめました。
セカンドラウンドではランカーのジェームス・ウェイド選手に惜敗することとなりますが、内容は非常に見応えのある闘いでした。
トッププレイヤーのウェイド選手に勝利することも期待させる、素晴らしいダーツでした!
2020年 最多の3名参加
2020年シーズンはこれまでで最多の3名の日本人選手が参加しました。
その3名は、浅田斉吾選手・山田勇樹選手・鈴木未来選手の3名です。
浅田斉吾選手
浅田選手は第1ラウンドでミッキー・マンセル選手、第2ラウンドでギーガン・ブラウン選手を破り、日本人選手としては最高成績の第3ラウンドまで進出することとなります。
第3ラウンドの相手は、当年のワールトチャンピオンシップ覇者となるピーター・ライト選手。紛れもない実力者です。
しかしなんとピーター選手を相手に2セットをもぎ取った浅田選手。2019年に続き、またしても世界にその存在をアピールしました。
山田勇樹選手
自身初となるワールドチャンピオンシップへの参加を果たした山田勇樹選手は、第1ラウンドから難敵のライアン・ミークル選手と対戦します。
イギリス出身の若手で、将来に期待大のホープです。
しかし彼に引けを取らない素晴らしいダーツでセットカウント3-1の勝利を収めることとなります。
第2ラウンドでは、やはり英国のベテラン実力者、ダレン・ウェブスター選手と対戦。
残念ながら力及ばず、ここでトーナメントから姿を消すこととなってしまいました。
しかしライアン選手に見事勝利した山田選手は、浅田選手に続きその存在を世界にアピールすることができました。
鈴木未来選手
BDOワールドチャンピオンシップの優勝をきっかけにワールドチャンピオンシップへ出場を果たした鈴木未来選手選手。
第1ラウンドで英国のジェームズ・リチャードソン選手と対戦します。
リチャードソン選手は、世界チャンピオン経験のあるバーニーに勝利した経験を持つ、これまた実力派選手です。
そんなリチャードソン選手を相手に鈴木選手は破れてしまうこととなりますが、セットカウント3-2の大健闘。
世界女王の名は伊達じゃないことを世界に見せつけました。
このゲームは観客の盛り上がりが半端なかったですね!
2021年 コロナ禍での初出場二名
2021年は異例の、コロナ禍による無観客開催となった印象的な年です。
出場選手は双方とも初出場となる鈴木徹選手と、エドワード・ファウルクス選手です。
鈴木徹選手
涙の初出場を果たした鈴木徹選手は、第1ラウンドで同じユニコーンプレイヤーのマダーズ・ラズマ選手と対戦します。
さすがの実力者であるマダーズ選手を前に残念ながら第1ラウンド敗退となってしまいました。
翌年にはワールドカップにおいて再び世界に挑むこととなる鈴木選手。
世界の壁を知る結果とはなりましたが、この経験が確実に鈴木選手を成長させてくれたと思います。
ファウルクス・エドワード選手
彗星の如く日本ダーツシーンに現れたエドワード選手。
これまでは全国的な知名度は決して高くなく、あの浅田選手を破り出場権を獲得したことで日本中を驚かせました。
アリパリではその真の実力を如何なく発揮。第1ラウンドでベルギーのマイク・デッカー選手に圧勝します。
その鮮やかなダーツと、彼がバイリンガルであることも手伝って、PDC内の注目を浴び一時話題となりました。
第2ラウンドでは難敵・ドーラン選手。ダブルイン9ダーツフィニッシュの経験を持つ実力者です。
ドーラン選手相手に1セットを奪うも、残念ながら力及ばず第2ラウンドで敗退となりました。
日本人選手のこれからに期待!
毎年複数の選手が世界へ挑戦し、その厳しさに涙を飲んできています。
しかし日本人選手が近年日常的にスティールダーツをプレイする機会が増えていることもあり、以前ほどの大きな差は感じられなくなってきました。
ソフトダーツプロツアーが通年開催されていることもあり、選手層の厚さは十分な日本。
これからの日本人選手の活躍に期待したいですね!
年末はワールドチャンピオンシップを楽しもう!
以上、PDCワールドチャンピオンシップの解説をしてきました。
より深く大会の事を知れば、もっと観戦が楽しくなります!
これからの日本人選手の活躍に期待しながら、年末年始は世界最高峰のトーナメント・PDCワールドチャンピオンシップを楽しみましょう!