【佐藤詩織選手モデル】TAPIA(タピア) TYPE2 レビュー|円形と多角形の融合が面白いバレル
パーフェクト女子で活躍を続ける佐藤詩織選手。2022年シーズンの年間ランキングは7位で、存在感を見せ続ける選手です。
その佐藤選手の新モデル・『TAPIA(タピア) TYPE2』が発売されましたので紹介していきます。
シャークカットに多角形カットをプラスした、面白いコンセプトのバレルです。
良い点・悪い点、いろいろ感じましたので、率直なレビューをしていきたいと思います。
タピア TYPE2 基本スペック
形状 | トルピード |
重量 | 19.0g |
メインカット | シャークカット / 多角形カット |
重心 | セミフロント |
レングス(バレル長) | 42.0mm |
最大径 | 7.2mm |
グリップエリア径 | 約6.7mm |
チップ規格 | 2BA |
メーカー | トリニダード |
プレイヤー | 佐藤 詩織選手 |
販売価格(税込) | ¥11,999- |
重心位置は公式発表と実測結果に差異があります。(後述)
スペック詳細
重量
重量は19.0g。少し重めで、しっかり飛ばしやすいウエイトです。
相変わらず、トリニダードのバレルは重量の精度が素晴らしいですね。
カット
前方はカドを落としたシャークカットで、鋭い飛びと手離れの良さを両立させています。
後方は12角形リングカット。指にピタッと馴染む多角形カットを採用しています。
重心
私が測ったところ、重心はセミフロント。ちょうどロゴのあたりに重心がきています。
セッティング時はグリップエリアの最前方ほどに重心がきます。
重心はセミリア?フロント?
トリニダード発表の重心位置はロゴの数mm後方。セミリア重心となっていますが、私の計測ではちょうどロゴの位置が重心位置です。
下の画像では、計測器が水平のとき(▲の位置に重心が位置しているとき)、中心からの距離はバレル後方側の方が2mm程度長いことが分かります。
つまり、重心位置はバレルの中央より2mm程度前方にあることを示しています。(セミフロント重心)
また、3本とも同じ結果でしたので、個別の不具合というわけでもないかと思います。
わずかな違いですが、ダーツプレイヤーにとって重心位置はデリケートな問題。
気になる方は、一度試投などで手に取って頂き、自身でご確認なさることをオススメします。
正確な重心位置をお伝えできず申し訳ありません…
後に判明することがあれば、追記したいと思います。
レングス
レングスは42.0mm。トルピードバレルとしてはごくスタンダードな長さです。
太さ・径
最大径は7.2mm、グリップエリア径は約6.7mm程度です。
シャークカット部は気持ち太めで、しっかり握りやすいです。
タピア TYPE2の特徴と強み
面取りシャークカットの掛かりと手離れがグッド
グリップエリア前方のシャークカットはしっかり指へ掛かりながらも、面取り処理が施されており、指に喰いつきすぎず手離れ良好です。
直角の鋭利なカドを削ぎ、丸みのある形状に加工することです。
直角に削り出したものより指への馴染みが向上します。
しっかり力を伝えやすく、女性や初心者でも鋭い飛びが目指せるでしょう。また、スイングスピードが速い方でもエネルギーロスなく、力を乗せられます。
それでいて、自然に指から離れていく手離れの良さは秀逸。強いカットにありがちな、手に張り付いてリリースが遅れるような感覚はありません。
シャークカット部は飛びと手離れ、両方のバランスの水準がとても高く、素晴らしい仕上がりです。
指にハマる多角形カット
バレル後方は多角形リングカット。12角形でできています。
円形に比べ多角形カットは指への接触面積が増え、指に馴染む感覚が得られます。
指の中で転がらず、ピタっとハマる感じが気持ちいいです。
また、円形と違いカドがあるので、カドを弾いて飛ばすような投げ方もできます。
リリース時に指の中で転がる感覚が得られ、『離れ感』を感じ取れます。
タピア TYPE2の気になること
『面』がハマれば気持ちいいけど…
タピア2の大きな特徴である12角形カット。
先にお伝えした通り指に『面』がピッタリハマれば気持ちいいのですが、これがうまくハマりません。前方のシャークカット部は円形であるためです。
グリップの途中で円から多面体に切り替わる違和感はかなり強いです。
シャークカットに力を伝えれば良いのか、もしくは『面』なのか『カド』なのか、どうやって力を乗せるのが良いのか混乱しました。
シャークカットと多角形カットはそれぞれ出来が良いだけに、グリップがビシッと決まれば気持ちよく飛ばせるバレルです。しかし、形状切り替わりによりグリップが決まり難く、再現性を落としてしまっていると感じました。
多角形エリアをメインに握るとイイ感じ
シャークカット部の方が広いためシャーク部をメインに握っていましたが、投げ込んでいく内に後方の多面部をメインに握った方が良いと感じました。
『面』で握って、前方のシャークはあくまでアシスト。これなら切り替わり部の違和感は抑えられます。
そのため、タピア2はバレル後方をグリップするのがオススメです。
中央を握るプレイヤーにはあまりオススメできません。
まとめ
スペック
形状 | トルピード |
重量 | 19.0g |
メインカット | シャークカット |
重心 | セミフロント(公式発表と乖離) |
レングス(バレル長) | 42.0mm |
最大径 | 7.2mm |
グリップエリア径 | 約6.7mm |
チップ規格 | 2BA |
メーカー | TRiNiDAD |
プレイヤー | 佐藤詩織選手 |
販売価格(税込) | 11,999円 |
カットの強さ | (3.5/5.0) |
手離れの良さ | (3.5/5.0) |
特徴
タピア2の製品情報
- 佐藤詩織選手のTRiNiDAD2ndモデル
- 円形シャークカットと多角形リングカットを融合したグリップエリアがユニーク
- 2BA / スティール の二種展開
- TRiNiDADより、2023.3.18 発売
タピア2の強み
- 多角形カットでしっかり指に収まり、グリップの安定感が優秀
- シャークカットはカドが立っておらず、しっかり掛かりながらも手離れが良い
タピア2の弱点
- シャーク・多角形の切り替わりエリアがちぐはぐでグリップが安定しない
- グリップ感にクセが強いため、初心者向きではない
- 公式に重心位置はセミリアである旨発表されたが、今回の実測ではセミフロントであった
正式な重心位置に疑問が残る
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これだけは言っておきたい!
タピア2の感想ですが、ひと言で言うと『クセが強い!』
率直に申しますと、万人にオススメできる製品ではないかなぁと感じました。
しかし、コンセプトがハッキリしていて部分ごとの出来も良いので、投げていて楽しいバレルでした。これまでにないタイプで、面白かったです。
ハマる人にはハマる製品だと思います。
グリップの決まりにくさがネックなのですが、これがバチっと指に馴染む!という方には素晴らしいバレルだと思います。なにせシャークカットの出来が良い。
面取りの仕上がりが素晴らしく、しっかり指に掛かるのに手離れ抜群。少し重めの19gという重量も手伝って、鋭い飛びは一級品です。
グリップがしっかり決まって投げられた時はかなり気持ちいい飛びを見せてくれますので、ご自身に馴染むか是非機会を見つけて試投してみてもらいたいバレルです!
ギャラリー
最後に
タピア2を紹介してきました。
クセが強く扱いが難しいですが、グリップが決まった時の気持ち良さは素晴らしいです。使いこなすことができれば、きっと良い相棒となるでしょう。
面白いバレルですので、触る機会があれば是非投げてみてください!